HIROSHI TANAHASHI: Strong vision

HIROSHI TANAHASHI: Strong vision

JOURNAL / Five Roads #4

HIROSHI TANAHASHI: Strong vision

2019.05.29

[新日本プロレス所属 棚橋 弘至のインタビュー]

唯一無二の独創性で人々にインスピレーションを与える人物。彼らは、FIVEISM × THREEというブランドの在り方を体現している。FIVEISM × THREEでは、そんな人物のことを“Ikon(アイコン)”と呼んでいる。プロレスラー棚橋弘至もそのひとり。既成概念にとらわれず、さまざまな事へと挑み続けてきた彼にStrong vision(たしかなヴィジョン/在りたい未来を描くこと/信念を持つこと)を持って生きていくための秘訣を教えてもらった。


FIVEISM × THREE(以下:F):今年の10月10日で1999年のデビュー戦からちょうど20年という節目を迎えられますが、今後のご自身の活動につきましては、どのようなヴィジョンをお持ちでしょうか。

棚橋弘至(以下、T):もちろん、この先も長くプロレスを続けることができたらうれしいのですが、「チャンピオンベルトを目指せるコンディションを維持できたら」というのが最低条件になります。「もうベルトは無理だ」と心が折れたら、それは引退する時です。
また、大学を卒業してからずっとプロレスラーをしてきたのでプロレス以外のことでもいろんな仕事をしてみたいという野心はあります。今は一生懸命にプロレスをやっていますが、アスリート目線のコラムを書いてみるとかできることを探していきたいです。

F:デビューしてからこれまでの約20年間で世の中は色々と変わりましたが、棚橋さんご自身が考える「かっこいい男性像」に何か変化はありましたでしょうか?

T:そこはずっと変わっていないですね。僕が思う、かっこいい男性像というのは「土壇場に強い人」であり、「いざという時に頼りになる人」。不測の事態に陥っても泡食わない人がすごく好きです。
僕自身も頼りがいが欲しかったので試合前には絶対に緊張した姿を見せないようにしていましたし、疲れたって言わないようにしていました。それで「休みは要りません」と言って仕事をしまくってきました。
自分は「お前ら、行こうぜ!」と大号令をかけて他の選手を引っ張っていくタイプではないのですが、他のプロレスラーよりもプロモーションに貢献して、練習をして、良い試合をしてという生き様によって新日本プロレスを引っ張ってきたという自負はあります。

F:これまでに棚橋さんが個性や信念を築いてこられた中で今でも忘れられないもの、例えば、映画や本などがありましたら教えてください。

T:映画や本というよりも僕の場合はもっと生々しいですよ。生きたくても生きられなかった同級生がいたり、プロレスを続けたくても続けられない怪我を負ってしまった選手がいたり……。でも、僕はこうしてプロレスラーを続けることができている……。だったら、毎日、とにかく全力で頑張ろうと。それが、自分の中で大きなエネルギーになっています。

F:大学時代のプロレス同好会の仲間が最後までガンと闘ったという話、棚橋さんの著書『全力で生きる技術』で拝読しました。

T:彼の地元の大阪で試合をする時には「今日も頑張るからパワーを貸してくれよ」と思いながらリングに上がっています。

F:棚橋さんが日常生活の中で身だしなみに関して意識していることはありますでしょうか。

T:そうですね、どんなに眠くても起きている間に髪の毛を乾かすということは徹底しています。過去にはTwitterで「夜のうち 髪乾かすと 朝がラク」と俳句っぽくつぶやいてみたりもしました(笑)。あとメイクさんから乾燥が肌に良くないと聞いてからは、お風呂上がりに乳液をつけています。

F:今では男性だけでなく女性ファンからも熱い視線を浴び続けている棚橋さんですが髪型やメイクなども含めた見た目のアピールについてはどのようなこだわりをお持ちでしょうか。

T:一般の人が抱えているプロレス全体のイメージって、痛い、血が出る、大きい、いかつい、恐いというのが先行しているのではないかと思います。そのイメージの強さがプロレス会場に足を運びにくいということにもつながっていました。そんな中で僕は、優しそうとか、お洒落だとか、そういうところで人に気づいてもらえたらいいなという想いで頑張ってきました。
タイトルマッチなどがある日の髪型のセットは、全国どこでも自分で美容室を検索して、予約を入れて、自腹でやってもらっています。私服がバチッと決まった時に一日気分がいいのと同じように髪型からコスチュームまでがバチッと決まった時の方が試合中のパフォーマンスも上がるんです。試合前から「よし、いける!」という気になれます。これをやらないのは、プロとしては怠慢ですよ。

F:今日の私服のファッションもすごくお洒落だなとお見受けしたのですが。

T:ジャケットとパンツはコム デ ギャルソン、Tシャツはロンハーマンです。昔はもっとヤンチャというかアメカジっぽい感じでしたけど、だんだんとキレイ系になっていきました。モノトーンカラーでまとめているのは、今日のスタジオの雰囲気がこういう感じかなと思ったからです。正解でしたね。いやぁ、逸材感が出ちゃったかな(笑)。
それから「筋肉は最高のファッションである」というのがお洒落についての僕の信念というか持論です。筋肉があると、Tシャツもかっこよく着ることができます。これからも筋肉とファッションのちょうどいいところを狙っていきたいです(笑)

F:今日、FIVEISM × THREEについてはどのような印象を持たれましたか。

T:今日はFIVEISM × THREEのメイクアップアーティストHIROKIさんに下地からやっていただきました。僕の日焼けした肌に自然な感じですごく馴染んでいますよね。男性のメイクって、これからの主流になっていくんじゃないかと思いましたね。

F:棚橋さんの人生にとって、FIVEISM ×  THREEが掲げるStrong vision(確かなヴィジョン/在りたい未来を描くこと/信念を持つこと)にはどのような意味がありますか。

T:未来をイメージする、ヴィジョンを持つというのは本当に大事なことだと思います。例えば、「東京ドームを満員にする」という未来を想い描くじゃないですか。そうすると次に何をしたらいいのか、やるべきことが見えてきます。未来をイメージすることは、僕の人生にとって欠かせないスキルのひとつです。
実は、僕の本『棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか』でも序章の第一文で、「僕はずっとイメージの力を大事にしてきた」と書きました。トレーニングをする際でも、「大きくなれ、大きくなれ」と意識しながらやると結果が違ってきます。なりたい体をイメージしながらやると、ただ漫然とやるよりも明らかに筋肉が大きくなるんです。

F:今の世の中には「確かなヴィジョン」や「強い信念」を持つことが難しいと感じている人もいると思います。そういう人々に向けて、棚橋さんからエールをお願いします。

T:目標は常に見えるところに置いていてほしいですね。そこへ向かって歩むスピードは速い時があっても、遅い時があってもいいと思います。だけど、止まらないでください。走っても、歩いても、這ってでも、とにかく止まらなければ、在りたい未来へと近づいていけます。急がず、でも止まらず、未来に向かって進んでいきましょう!

棚橋 弘至

1976年11月13日、岐阜県大垣市生まれ。
1998年2月に新日本プロレスの入門テストに合格。立命館大学法学部(在学中はプロレス同好会に所属)を卒業後の1999年4月に晴れて新日本プロレスに入門。その半年後の10月10日、後楽園ホールにて真壁伸也(現:真壁刀義)戦でデビュー。
2006年7月、IWGPヘビー級王座決定トーナメントを制して同タイトルを初戴冠。
2018年9月公開の映画『パパはわるものチャンピオン』では主演を務め、2018年度プロレス大賞MVPおよび、第19回ビートたけしのエンターテインメント賞特別賞を受賞するなど、リング外でも活躍をみせている。

1976年11月13日、岐阜県大垣市生まれ。
1998年2月に新日本プロレスの入門テストに合格。立命館大学法学部(在学中はプロレス同好会に所属)を卒業後の1999年4月に晴れて新日本プロレスに入門。その半年後の10月10日、後楽園ホールにて真壁伸也(現:真壁刀義)戦でデビュー。
2006年7月、IWGPヘビー級王座決定トーナメントを制して同タイトルを初戴冠。
2018年9月公開の映画『パパはわるものチャンピオン』では主演を務め、2018年度プロレス大賞MVPおよび、第19回ビートたけしのエンターテインメント賞特別賞を受賞するなど、リング外でも活躍をみせている。

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